病院 ~医者との関わり方・選び方~

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病院 ~医者との関わり方・選び方~

医者との関わり方
医者の選び方ってことですよね。
非常に難しい問題かなと私も思います。

私自身いらっしゃる患者さんは選べないですし
患者さんの方も
なかなか医者選ぶの難しいと思うので
できれば信頼関係が構築できるような
お医者さんを選べればいいかなと思います。

病院の選び方はおいといて
まずはドクターですね
医師の選び方っていうか
医師との接し方について
注意点と言うとなんか上から目線みたいなんですが
医者はどんなふうに考えてるのか
医者の側から見ると
こんなふうに思ってるって言う話も交えて
ちょっと話をしていきたいと思います。

患者さん、もちろんあのご自身の話を
じっくり聞いてもらって解決してほしい
という思いで来られてるわけですので
すごく長く時間を取ってお話を聞いてほしいと
思ってらっしゃると思うんですが

私たちの側はですね
時間に追われて追われて
仕事をしているような部分がありまして
なかなかじっくり聞きたくても
聞けないっていうような現状があります。

個人的に私の話をしますと
泌尿器科医で手術をバリバリやってた頃はですね
午前中、手術を終えて
お昼ご飯を食べるか食べないかで
午後2時から外来が5時まである
わけなんですけども
30人ぐらいは普通に来てまして
下手すると40人50人の患者さんがいらっしゃると。

普通に3時間で30人の患者さんを診るってなりますと
1時間10人ですね。
単純に割り算すると1人6分しか
時間がかけられないっていうことなんですが
その中には初診の患者さんもいらっしゃいまして
すごく詳しく問診をしないと訴えが
わからないような方もいらっしゃいます。

どうしても
その初診の方の話を長く聞いてると
再診の方、いつもの顔見知りの方の
時間が本当に
3分間診療どころじゃない
1分間診療だったり
何十秒診療だったり
申し訳ないなと思いつつも
そういうのがまあ
医者の側の現状ですね。

あと医療制度にも問題がありまして
日本は国民皆保険で
非常に素晴らしい国だと思うんですけども
例えば初診料はおそらく2280なん点
2800円ぐらいの3割負担ぐらいで
皆さんの850円の初診料を支払われる。

再診料になると大体3割負担で220円ぐらいの
結局その再診の方を10人見てもですね
医療側としては本当に
大した額にはならないっていう
外来診療だけでやってる病院っていうのは
残念ながら数をこなさないと
収益に全くならないっていう
構造的な問題もあります。

手術ができるような病院は
手術で収入を得るっていうことも
可能なんでしょうけども
外来受診オンリーでやってるところは
本当にたくさん回らないと
看護婦さんのお給料も出ないような
そういう病院もあるっていう風に聞きます。

それと患者さんを大切に
話を聞くっていうのは
別問題ではあるんですが
医師としての患者さんの評価ですね

あの先生は非常に話を聞いてくれる
とっても長く話を聞いてくれる
良い先生だっていう
患者さんの側の評価と

医師が病院の中から受けてる
あの先生は患者さんの話を長く聞いて
良い先生なんだけど
全然収益が上がらないね
みたいな評価とか、また違うっていう
私たちの側にも苦しい現状があるっていう部分
ちょっとあの悲しい現状なんですが

あと先ほどの泌尿器科の例でお話ししますと
50人も患者さんが来た日には
5時までの外来なのに
もちろん5時で終わらなくて、6時になったり
6時を超えたりってなってくると
待ってる患者さんも非常にお疲れですし

院外薬局の薬局さんなんかもですね
遅くまで開けて待ってなきゃいけないわけですね。
そうすると誰々先生の外来はすごく人気が
あって遅くまでやるんだけども
薬局も閉められなくって困るね、みたいな
そういう評価が聞こえてきたりすると
医師の側もどっちも立てたいけど
どっちも立てないっていう
そういう苦しい現状の中に診療してるっていう
まぁちょっと事実があります。

そこで皆さんに提案なんですが
受診されるときは
A4の紙1枚ぐらいに症状だとか
聞きたい事だとかを
割と簡潔にまとめられて
医者に見せるように
一緒に見るようにしながら
一つ一つ解決をしていくっていうと
お互い信頼感も生まれますし
診療もスムーズに進みますので

聞きたいことをまとめて端的に聞くっていう
そういう方針をされると
信頼感がぐっと深まる
時間の短縮にもなっていいんじゃないのかなって
いうふうに思いますし
多分他の先生、ドクターの方々も
そんなふうに感じてらっしゃると思います。

あと、よくありがちなのが
ご自分の地位がすごくアッパーな方だとか
親戚に医者がいるんだとか
こんな治療法を知ってるけど
どうなんだっていう風に
聞き方にももちろんよるとは思うんですけども
すごく威圧的な聞き方をされる方が
たまにいらっしゃいまして

多分そういう方は特別な待遇
自分は特別扱いして欲しいっていう
意思表示なのかもしれませんけども
私たちの受ける印象としては
そういう大事な方に治療ミスをしたら
大変なことになるんじゃないか
訴訟になるんじゃないかっていうような
そういう心配もまあ出てきて

どうしても親しくなりづらかったり
手術をしなきゃいけないケースでは
標準治療って言いまして
もう決まりきった手術の提案しかできない
もしミスした時には失敗されるんじゃないかって
いうような、そういう懸念が生まれるってことですね。

私みたいな昭和のおじさんの世代は
割とそういうのは慣れてますし平気で
自分が訴訟に巻き込まれても
それは運が悪かったっていうような
そういう教育受けてますので
割と臆せず
言いたいことは何でも言うんですけども

最近の若い世代の先生方は
もう授業の中で
こんな風な例は訴訟になって
こんな風になりましたよっていうような
話をずいぶん聞かされて育ってますので
自分を守るっていうよりも
無駄な訴訟に巻き込まれると
診療を休んで裁判に出なきゃいけないから
巻き込まれること自体が
もうそもそも間違った診療の進め方だ
みたいな教育を受けてますので

とにかく危ないものには近寄らないっていうことで
ちょっと昭和のおじさん世代からすると
残念なんですが
そういう現状もあります。

弁護士さん関係のことを
あまり悪くは言いたくないんですけども
やっぱり事実として
医療訴訟を扱う弁護士さんの方が増えまして
ご本人、ご関係者の方々は
訴訟を起こしたいと思ってなくても
こんなふうに訴訟すれば勝てますよ
みたいな話でまあすごく増えてるんですね。

だからもうちょっとも揚げ足を取られないように
慎重に慎重にっていう考えが
若い先生方の間でありますので
さっきの話に戻りますと
あんまりご自分の地位を振りかざしたり
高圧的な態度に出られると
何かミスをしたら
失敗するんじゃないか
失敗をしたら裁判になるんじゃないかっていうような
そういうまあ
こちらも戦々恐々として治療しなきゃいけない。

結局何が言いたいかって言いますと
医師と患者さんの間の人間関係を
どう築くのかっていうのが
すごく大事な問題だと思いますので
先ほども言いましたように
A4の紙1枚ぐらいの感じに
簡潔にお話をまとめて
患者さんとしても医者の側に
プレゼンテーションをするってことですね。

会社みたいですけども
良いプレゼンができる患者さんというのは
やっぱり医師の側から見ても
すごく説明もしやすい
すごくできる人だなっていう
印象を持ちますので
信頼関係が早く築きやすいっていう
ことになると思います。

患者さんの側でも
そういう風に良いプレゼンを
した時の反応を見てですね
ちゃんと聞いてくれる先生なのかどうなのか
ということを判断されればいいと思います。

本当に時間押せ押せの中で診療してますので
外来1回だけで
話が全て終わるわけじゃありませんので
次来た時にはこの聞けなかったここのところ
詳しく聞きたいですからって言って
メモ残していくのも良いやり方だと思いますし

あんまり独り占めしようと思わずに
回数を稼いでいるうちに信頼関係を築いたり
聞きたいことを聞けたりするような
そういう関係がうまく構築できれば
良い医者患者関係が
できるんじゃないかなっていう風に思います。

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