【入浴中の死亡事故】 ~楽しいお風呂習慣のために~

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【入浴中の死亡事故】
~楽しいお風呂習慣のために~

今回はですね
入浴中の死亡者数っていうのは
実は交通事故の死亡者数よりも
はるかに多いということについて
お話ししたいと思います。

だんだん寒くなって
お風呂が恋しいような季節に
なってきました。

楽しいはずのお風呂なんですけども
実は日本人の死亡原因の第6位
「不慮の事故」となってまして

このほとんどがお風呂の事故
ということが言われてます。

日本全国で1年間に
浴室内でお亡くなりになる方が
1万4千人から1万9千人ということで

ちょっとアバウトな数になるのはですね
医師の死亡診断書から推定するんですけども
病死なのか事故死なのか
カウントによってちょっとずれるって
事なんですけども

だいたい年間1万4千人から1万9千人の方が
お亡くなりになってると。

一方ですね
平成28年の統計で
交通事故でお亡くなりになった方は
約4千人ということで

お風呂で今の数でしたから
平成28年ではお風呂で約4倍の方が
お亡くなりになってるという風に
言われておりました。

最近の統計ですね
2020年度の交通事故の死亡者数が
全国で初めて3千人を下回ったということで
話題になりましたが

そうするとお風呂での死亡者数は
おそらく変わらないと推定されてますので
5倍から6倍の方が
入浴中にお亡くなりになるということで
相当な数ですよね。

実はこの入浴中の死亡事故というのは
気温が下がると増えてくる
ということが分かってます。

なんと驚くことにですね
12月から2月までの寒い時期に
5割が集中してるという風に言われてます。

また高齢者に多く見られるのが特徴ですね。
そうしますと
お風呂の何が危険なんでしょうか。

冬は特に寒い洗面所とかでも
服を脱ぐことになると思うんですけども
洗面所や脱衣所で
寒いところで服を脱いで
浴室内も寒いとなりますと
血管が収縮して
血圧がすごく高くなるんですね。

そのまま寒いからと言って
ろくにかけ湯もせずに
そのまま浴槽の中に入ってしまうと
身体があったまって血圧が急上昇します。

それで脳卒中の原因になったり
心臓おかしくなったり
ということが多いわけです。

今度はですね
血圧、高くなった血圧がだんだん時間がたって
あったまってくるとともに
血管拡張してですね
血圧が下がり始めるんですね。

急上昇した血圧が急下降するってことで
非常に体に良くないことが
お分かりになると思います。

それから血圧が下がった状態で立ち上がると
皆さん経験したことあるかと思うんですけども
立ちくらみですね。

脳貧血の状態で立ちくらみで
転倒して怪我をするというような
事故も起きやすいと言われてます。

お風呂特に長く入ってますと
だんだん汗をかいて
発汗することによって
脱水になりますので

いわゆる血液がドロドロになって
詰まると言うような
そういう現象も起こってきます。

このように
急激な温度の変化によって
起こるような症状
ヒートショックという風に言います。

真冬の入浴事故でいろんなことが起こるのは
まさにこのヒートショックが原因
という風に言われてまして

そのため最近では気象庁のホームページに
ヒートショック予報というのが出てまして
何日先にはとても寒い寒波が来るので
ヒートショック気をつけましょう
というような予報が出ています。

ということで
入浴中の死亡事故
1位は心臓発作
2位は脳卒中
3位は溺死
という風に報告されてます。

中高年の方や心臓や脳に疾患のある方
高血圧の方は特に注意が必要です。

第3位で「溺死」という風に言いましたが
「溺死」って溺れるの?という感じですよね。

まさかお風呂の中で溺れないでしょう
と思うんですが
実はまさにその溺れる溺死です。

これはもういくつかの説があるんですけども
先ほど申し上げました
血管が開いて血圧が下がるということは
脳が酸欠になりますので
脳が酸欠で気持ちよくなってるという事ですね。

すごく長くお風呂に入って
お風呂の中でうたた寝する方は
脳酸欠になってる可能性がありますので
ちょっと注意が必要です。

それから熱いお風呂に入って
血圧の変動が大きいって事も
失神の原因になります。

先ほど触れましたように
脱水による心臓発作などによって
意識を失って溺れるって事もあるわけですね。

いずれにしましても
熱いお風呂に肩までつかってしまうという
日本人のお風呂習慣が
世界でも類を見ないお風呂での溺死という
驚くべき事実につながってるという
そういう結果になってるわけです。

このお風呂での溺死は年間約5千人
という風に報告されてまして
65歳以上の高齢者の方が
9割以上占めるということで

まだその年齢に達していない
若い方であっても
こういう事実を知ってですね
正しいお風呂習慣を
身につけてほしいと思います。

食べてすぐの入浴ですね
熱いお風呂に肩までつかるなどは
とても危険な行動なので
注意しましょうということで

溺水事故に関しては
消費者庁から注意喚起がなされています。

昨年ですね令和2年の11月のものですが
ちょっとご紹介します。

5項目あるんですけども

1,入浴前に脱衣所や浴室を温めましょう

2,湯温は41度以下
湯につかる時間は10分までを目安にしましょう。

3,浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう

4,食後すぐの入浴や飲酒後
医薬品服用後の入浴は避けましょう。

5,入浴する前に同居者に一声かけて
意識してもらいましょう。

となっております。

湯船につかることは
リラックス効果もありますし
水圧によるマッサージ効果など
アンチエイジングに良い効果は
沢山あるんですけども

一方ご紹介してきましたように
日本特有の危険なお風呂事情が
あるのも事実です。

よくありがちな
サウナでたくさん汗をかいた後で
冷水に飛び込んでしめるみたいなことは
一部の方にとっては大変危険だということが
お分かり頂けたと思います。

身も心も本当の意味で
温まるようなお風呂習慣を
身につけていただきたいと思います。

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