病気の予防に関して

健診施設・人間ドック施設の選び方

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あなたは、これまでの記事を読まれて、定期的な健康診断の重要性に気づかれたのではないでしょうか。
そして、いままで健診から遠ざかっていたけれど、これをきっかけに受診してみようという気になった方もおられることでしょう。

それでは、健診施設や人間ドック施設はどのようにして選べばよいのでしょうか。どこを受診しても同じなのでしょうか。
実は、健診や人間ドックを実施している施設には違いがあります。
今回は、健診施設や人間ドック施設の選び方のポイントについて解説します。

続けやすい施設を

まず、健診や人間ドックの受診は継続することが大原則です。

その理由は、身体状況を把握し、病気の前兆を発見するためには、最新の検査データを、前年度、前々年度、さらにはそれ以前の検査データと比較して、現在の状況を評価することが非常に重要だからです。
ですから第一に、ご自宅や職場の近くなど、今後も続けて通いやすい施設を選ぶのがよいでしょう。

次に、施設の規模や設備についてはどう考えればよいでしょうか。
規模が大きくて、最新の設備が整っていれば一定の利便性があると思われます。
例えば、大規模病院が経営している施設などは、健診や人間ドックで異常が見つかった時に、そのデータを利用してスムースに精密検査や治療に回してもらえるメリットがあります。
また、大規模病院が母体でなくても、精密検査や治療のための受診先を紹介してもらえる体制がしっかりしている施設であれば同様に安心です。

データの正確性

しかし、検査を受ける上で最も大切なことは、検査データが正確で信頼性があるということです。

健診や人間ドックで受ける血液検査の結果は、どこで受けても正確に同じ数値になると思われていませんか。
実は施設によってばらつきがあるのです。この事実をご存知の方は案外少ないかもしれません。
これは、検査装置や使用する試薬の違い、血液や尿などの検体の取り扱い方の違いなどによるものです。
検査には多少の誤差はつきものですが、誤差が大きすぎると問題となります。

例えば、本当は少し異常値であるのにもかかわらず、ギリギリ正常範囲に判定されてしまうと、病気の見落としとなり、早期発見のチャンスを逃してしまうことになりかねません。
またその反対に、正常値であるのに異常値と間違って判定されますと、再検査を受けたり、不必要な精密検査を受けるなどの事態も想定されます。
いずれにしても、検査のデータは正確で信頼できるものでなくてはなりません。

少し専門的になりますが、各施設は検査の正確性を保つために、機器の調整や管理、検体の扱い方などの「精度管理」を行っています。
この「精度管理」がどのように行われているのかは、通常はなかなか伺い知ることはできません。
そこで、あなたができる対応として、施設の精度管理を厳しくチェックしている団体の公表を利用するという方法があります。
日本総合健診学会からは「優良総合健診施設」、日本人間ドック学会からは「機能評価認定施設」として公表されていますので、施設選びの参考にされるのもよいでしょう。

また、検査自体の正確性も大切ですが、データを評価したり、結果説明をする「医師」についても気になるところです。

この医師についても施設と同様に、上記の両学会による試験で認定された「人間ドック健診専門医」が公表されています。
医師の資格により施設を選ぶという方法も、施設選びの有効な手段となります。

あなたが、健診からしばらく遠ざかっているのなら、続けて通うのに適した健診施設を選び出すという作業を通して、健診に復帰するきっかけとされるのもよいでしょう。
また、健診は必要最小限の項目しかチェックしませんので、もし相当額の費用補助が出るのであれば(いや、場合によっては出なくても)、詳細な検査により診断能力の高い人間ドックを受けることを考えてみられてはいかがでしょうか。

次回は、オプション検査の選び方のコツ、人間ドックは何歳で受けるべきかなどについて解説いたします。

(※本サイトの内容は、記事投稿及び更新時点での医療の一般的な知見を前提とした、執筆者の見解、研究結果をもとに作成されております。また、本サイトはがんや生活習慣病など特定の疾病・障害の予防・改善を保証するものではありません。)

 

健診施設の選び方

まずは続けられることが大前提です。施設によって数値に多少誤差が出ることも。優良施設、認定施設、人間ドック健診専門医などは全て公開されているので、一度近くの施設をチェックしてみては?