【不眠について~睡眠薬の種類と処方~】

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【不眠について~睡眠薬の種類と処方~】

「最近眠れないので
睡眠導入剤を試してみたいのですが
薬局で買うよりも診断してもらって
処方してほしいと思っています。
そういう場合は何科に行けばいいですか?
睡眠薬はあまり処方して
もらえないって本当ですか?
どうしてですか?」

というご質問いただきました。
ありがとうございます。

睡眠の問題を解説しながら
質問にお答えしていきたいと思います。

今や国民病といわれる
不眠症なんですけども
日本人の5人に1人
60歳以上では3人に1人が
不眠の問題に悩んでると
いう風に言われています。

不眠には4つのタイプがありまして
なかなか寝付けない入眠障害。
途中で目が覚めてしまう途中覚醒ですね。
朝とてつもなく早く目が覚めてしまう早朝覚醒。
しっかり寝た気がしないと言う熟眠障害。
この4つに分けられます。

そういう障害で昼間だるいだとか
体調悪いとかいう状況が一ヶ月続くと
「不眠症」というふうに診断されます。

病院を受診して「眠れない」というふうに
言いますと大体睡眠導入剤を
出してくれるのではないかなと
いうふうに思います。

しかし安易に睡眠薬を始めてしまうと
肉体的にも精神的にも
睡眠薬がないとやっていけないというのは
依存の問題がありますね。

そういう依存の問題があったりして
心配だと思いますので、睡眠薬について
ちょっと解説していきたいと思います。

睡眠薬には大きく3つのタイプがあります。
一番多く使われている
一つ目なんですが
神経伝達物質のGABAというのがあるんですけども
これの働きを促して脳全体を
鎮静するようなタイプの睡眠薬ですね。

二つ目が
体内時計の調節に関係してるメラトニンという
物質の作用を強くすることで眠らせるタイプ。

三つめが覚醒ですね。
起きているという事を維持する脳内物質の
オレキシンというものの作用を弱めて
眠りやすくするという
三つのタイプがあります。

このうち二つ目と三つ目にご紹介したタイプは
依存がほとんど起きないタイプですので
最初に使用していきたい薬剤というふうに考えます。

一番最初の脳全体を鎮静させる
タイプの薬剤というのは
非常に切れ味が良いので
患者さん自身の満足度も高く
私たち自身も昔からある薬ですので
非常に処方しやすいという薬なんですけども
1ヶ月間ぐらい毎日使い続けると依存が出てくる
というふうに言われています。

このタイプには寝つきを良くするような
超短時間作用型の薬というものがあります。
超短時間作用と聞くと
すごく短い間だけ効いて副作用も少ないのかな
というふうに思うかもしれませんが
超短時間作用型とか
短時間作用型の薬剤の依存というのは
非常に問題となってますので注意が必要です。

それからこのタイプの睡眠薬は
さらに認知症
長期服用すると出てくる
というふうに言われ始めましたので
ここも注意が必要かと思います。

大切なことは
安易に睡眠薬に手を出すなということですね。

現代社会はもう夜でも明るいですので
人間本来の睡眠のリズムとは
ちょっと違うという狂った状態に
なっているということですね。

自律神経のバランスに気をつけながら
睡眠に適した習慣だとか
睡眠環境を整える努力をしましょう。

例えば毎日正しい時間に起きる。

定期的に運動する。

それからカフェイン問題です。

夕方以降は眠りにくくなるので
カフェインを控える。

良眠のための入浴方法
別の動画で語ってますけども
入浴方法を実践する。

寝室の温度とか湿度とか
ホテルに近いような寝やすいような環境を整える。

お休み前のブルーライトは避ける。

寝酒に関しては
かえって睡眠が浅くなるので避けましょう。

と言うようなことですね。

ちなみに薬局で購入できるのは睡眠薬ではなくて
睡眠改善薬というふうに言われるものです。

これは鼻炎とかアレルギーの薬に入ってる
抗ヒスタミン剤が中心成分なるんですけども
アレルギー剤の注意書きに
「車の運転は眠気を誘うので注意しましょう」
みたいに書いてると思うんですが
この副作用で眠気が出るという事を
利用したお薬というふうになります。

一時的な不眠症状にだけ使用するようにしましょう。

ということで
良眠のための環境整備とか
生活習慣を完全に改善したけども
不眠で困っているという場合は

日本睡眠学会が認定する
睡眠医療認定医というのがあるんですけども
そういう先生がいる病院や
クリニックを受診するのが良いでしょう。

かかりつけ医の先生に受診のついでに
眠れないから睡眠薬を出してというのが
非常に手っ取り早くていいかなと
いうふうに思うんですが

かかりつけの先生が睡眠薬に関する
正しい知識を持っているとも限らないですし
依存が起こりやすいお薬を最初に出されてしまうと
依存が起きにくいお薬に戻すの
非常に大変だと言えます。

ということで
良質な睡眠のための習慣や知識を身につけて
できるだけ睡眠薬とは
関係のない生活を送っていきたいですね。

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