病気の予防に関して

糖尿病とはどんな病気か

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あなたは糖尿病についてどのようなイメージを持たれていますでしょうか。
ご自身には全く関係ないことと思われている方や、なんとなく怖い病気という漠然としたイメージを持たれている方など様々かと思います。また、現在闘病中の方もいらっしゃるでしょう。

猛威を振るう糖尿病

今や糖尿病は世界中で急激に増え続けている病気であり、世界規模での対策が必要とされていますが、実際のところ防ぎきれていないのが現状です。

アメリカ合衆国では、年間医療費の1位が糖尿病であり、中国では2人に1人が糖尿病かその予備群と言われています。世界中で増加している糖尿病ですが、一番増加の多い地域はアジア地域なのです。

では、日本の糖尿病の現状はどうなのでしょうか。
厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」の発表によりますと、糖尿病の人が約1000万人、予備軍の人が約1000万人の合わせて2000万人、日本人のなんと6人に1人が糖尿病かその予備群なのです。

しかも、日本においても世界の状況と同じく、糖尿病該当者の数は平成9年よりずっと増え続けています。特に、2型糖尿病※は40~59歳の働き盛りの世代で爆発的に増加しています。経営者のあなたにとって、とても身近な問題と言えるのです。

※2型糖尿病:
日本人の糖尿病の9割が2型糖尿病。中高年や肥満の人に発症しやすい。遺伝的に糖尿病になりやすい体質や、運動不足、食べ過ぎ、ストレス、喫煙などの生活習慣が関係する生活習慣病の代表格。近年では、子供の肥満による糖尿病の増加が問題となっている。

糖尿病とはどんな病気?

ところで、糖尿病とはいったいどういう病気で、何が問題となるのでしょうか。

元気に活動したり生命維持をするために、「ブドウ糖(グルコース)」はすぐに利用できる便利なエネルギー源です。食べ物を分解して作られたブドウ糖は血液によって身体の隅々にまで運ばれて利用されます。

しかし、血液中のブドウ糖(血糖)は高くなり過ぎると血管を傷つけるなどの障害を起こすため、高くなり過ぎないように下げる仕組みがあります。これが、膵臓(すいぞう)から分泌される「インスリン」の役割です。

血糖を上げる仕組みはいくつかありますが、下げる仕組みはこのインスリンの仕組み1つだけしかありません。
ここで問題となるのが、現代社会は食べ物に困ることがなく、つい摂取カロリーが過剰になることです。そのため血糖値は上がりやすい状況にあり、それに伴い膵臓はしょっちゅうインスリンを分泌しなければならないのです。

このような状態が長く続くと膵臓は疲れてしまい、十分量のインスリンを出すことができなくなり、高血糖が持続してしまうというわけです。
高血糖が持続するとやがてオシッコにブドウ糖が出てくるようになります。「糖尿病」と呼ばれる由来です。
つまり、インスリンがすい臓から分泌されない、またはその量が不足している、分泌されているのに十分に作用しないなど様々な原因で、慢性的に高血糖になるのが「糖尿病」です。

糖尿病が引き起こす重大な状況

この持続的な高血糖の状態は、全身の細胞1つ1つが酸化ストレスにさらされている状況といえます。
血管が傷つくことによって起こる糖尿病性腎症や糖尿病性網膜症がその代表例です。

また、糖尿病はがんの発症も増加させます。実際に、糖尿病の方の死因の第1位は「がん」なのです。
糖尿病は、甘い物の食べすぎでちょっとオシッコに糖が出るだけといった軽いものではなく、身体を内側から崩壊させる重大な状況なのです。

昨年11月14日の世界糖尿病デーには、「糖尿病はコントロールできる病気であり、適切な治療を続けていれば合併症を予防できる」と呼びかけられています。
糖尿病は一度なってしまうと適切な治療を継続しなければなりませんが、「糖尿病予備群」の段階ならまだ間に合います。
経営者のあなたも糖尿病に対する正しい知識を身につけ、高血糖になりがちな生活習慣をぜひ見直しましょう。
糖尿病の予防や改善についての情報をこれからお届けしていきます。

(※本サイトの内容は、記事投稿及び更新時点での医療の一般的な知見を前提とした、執筆者の見解、研究結果をもとに作成されております。また、本サイトはがんや生活習慣病など特定の疾病・障害の予防・改善を保証するものではありません。)

 

糖尿病とは

糖尿病は一度なってしまうとガンの発症率も上がるなど、身体を内側から破壊する重大な症状。糖尿病予備軍のうちに急ぎ改善を。